浄土ヶ浜の自然

赤松を飾せる島 浄土ヶ浜とナンブアカマツ

「赤松を飾せる島は紺碧の海に落とせり真白き影を」 と歌にも詠まれた浄土ヶ浜の美しさの要素として欠かせないのは、岩肌に群生するナンブアカマツでしょう。 三陸海岸一帯に見られ、岩手を代表する樹木と言えます。 大自然の生存競争の中、栄養も少なく潮風にさらされるという過酷な環境に見事に適応し種を繁栄させているのは見事。 我々日本人の姿とだぶるような気もします。

タイドプール(潮だまり)の生物

海水浴場からマリンハウスへと続く遊歩道の付近はちょっとした磯になっており、 干潮時には大小のタイドプール(潮溜まり)ができます。磯遊びをする人達もよく見えます。 潮溜まりは水分の蒸発などの影響で塩分濃度も変わりやすいのですが、 幼魚などにとっては、他の大型の魚などからは身を守れるため絶好の住処になります。 カニやカジカ、ハゼの仲間、ギンポ、アメフラシなど多種多様な生物が潮溜まりに住んでいます。 夏には黒潮に乗ってやって来るのか、イシダイの幼魚などが見られることもあります。 ただ磯は滑るので、ころんで怪我をしないように注意が必要です。

▼左:潮溜まりで遊ぶ人たち 右上:ギスカジカの幼魚 右下:ギンポ

▼上段左から:コイチョウガニ/アメフラシとその卵/イトマキヒトデ/磯遊びをする子供
下段左から:アサヒアナハゼ/イシダイの幼魚

ウミネコ

ウミネコは宮古市の鳥に指定され、三陸一帯で最も普通にみられる海鳥で、繁殖地も多くあります。 ウミネコとカモメの違いは、尾を見れば直ぐわかります。尾の先端が黒い帯状の模様があるのがウミネコです。 また体格もカモメより小さく、猫のような鳴声をするので可愛げがあります。 色の黒いのは幼鳥です。大人になると白くなります。 浄土ヶ浜のウミネコは人に慣れているので、ボートに乗って餌付けができます。 手から直接餌を取ったり、空中でキャッチしたりとなかなか芸達者です。

ウミウ(海鵜)

全長が80~90cmで海岸に生息し、体色は黒褐色で藍色の光沢がある。 鵜が口にした魚は噛まずに丸呑みにするため、人の言葉の真偽などをよく考えずそのまま相手の言葉を信じ込んでしまうという意の「鵜呑みにする」という言葉の起源ともなった。また、この習性を利用した漁も行われている。この漁法は網や釣竿などで獲るのとは違い、魚の体を傷つけずに漁が出来るだけでなく、鵜ののどの中で魚に強い圧力をかけて魚を一瞬で失神させるために、魚が疲れることによって(特に一本釣り)魚の旨みが落ちない事に加え、魚の骨が柔らかくなることなどの利点が挙げられる。

オオワシ

黄色い大きなくちばしと、くさび形をした長めの尾を持つ黒と白の海ワシ。日本には主に冬鳥として北日本に渡来する。海岸や河口を生活圏として、主に大型魚を餌としているが、時には水鳥や中型哺乳類を襲うこともある。日本産のワシタカ類では最大とのことで、翼を広げると3メートル弱あります。天然記念物の指定を受け、保護されている。

※この写真は2010年2月に宮古(臼木山)で撮影されています。【写真提供:かほパパ様

▼「何か?美味しいエサがないかなぁ~」

▼「エサ発見!フフッ...」

▼「ウグイいただきます。どんなもんだい!!自力で捕まえたぜ。」

▼「漁師さんからスケソウタラをいただきました。いつもありがとう!ゴチになります。」

アカゲラ

背中が黒く、白い逆ハの字形の模様のあるキツツキ類で日本では、本州以北の平地から山地に留鳥として棲息する。ドラミングは、キツツキ類全種に見られる行動で、枯れて音が響きやすい幹を連続して叩く。その場所は、ほぼ 決まっているようで、縄張り主張の意味を持つものらしい。木の幹に縦にとまり、くちばしで幹を叩いて中にいる昆虫や幼虫を食べる。

※この写真は2010年4月に宮古(臼木山)で撮影されています。【写真提供:かほパパ様

▼「何か?美味しいエサがないかなぁ~」

ニホンカモシカ

ニホンカモシカは、定着性の動物で移動は行わず単独で群れをなさず行動しています。でも春先になるとオスとメスの夫婦2頭か、メスと2~3歳ぐらいのこどもをマリンハウス周辺で見ることができます。オスもメスも角があり大きな体つきですが、動きは敏捷で急な岩場でも平気で行動します。マリンハウス対岸の剣ノ山でも確認されています。 国交友好記念の証として北京、ベルリン、サンディエゴなどの動物園に贈られています。.....パンダに負けないぞーーーー。

※この写真は2010年4月に宮古(臼木山)で撮影されています。【写真提供:tk-1112様

▼仲の良いカップルさんでした。ジャマして、ゴメンなさい。

▼2010/04/19撮影

▼2010/05/04臼木山にて【写真:かほパパ

スカシユリ

海岸の岩場という過酷な環境に健気に美しく咲くユリです。 この辺ではハマユリと呼んでいます。浄土ヶ浜の白い岩肌にはとても映えますね。 海岸のあちこちで咲いていますが、見かけても摘んだりせず大事に見守ってあげてください。

ハマギク

ハマギクは宮古市の花に指定されています。崖などにささやかに咲いています。 控えめでありながら芯の強さをもつ花です。

ヤマツツジ

花期は5~6月で、群生が目立つのは沿岸部の痩せた赤松林で多数見うけられます。

アサツキ

アサツキはユリ科ネギ属の多年草で、ネギ・ニンニク・などの仲間です。この写真は、マリンハウス対岸の剣ノ山で撮影されました。

カタクリ

カタクリは早春の3~4月に薄紫色の花を咲かせます。この花が咲くと「やっと、春が来たなぁ~」と、嬉しくなります。

ハマナス

ハマナスは5~7月に開花し、9~10月に結実する。浜に自生する野生のものは少なくなり、おそらく浄土ヶ浜に咲いているものは、園芸用に品種改良され育てられたと思われます。

マンサク

早春、浄土ヶ浜で一番早く花を咲かせて、春の訪れを告げる木である。花の形がおもしろく、花の少ない時期に咲くので庭にもよく植えられる。和名は、黄色の花が枝いっぱい咲くので“豊年満作”からきたという説と、“まず咲く”がなまったという説がある。(2010年3月初旬、臼木山にて撮影)

他にもこんな草花が見られます

▼イヌトウバナ

▼シラヤマギク

▼オカトラノオ

▼シシウド

▼シラヤマギク

▼ヒメヤブラン

▼ホツツジ

▼ムラサキシキブ

▼マルバキンレイカ

▼ミツバ

▼ムラサキシキブ